水素の輸送方法

水素の輸送方法を調べているのでブログでメモ。現在は以下の4種類の方法が利用されてます。

  • 高圧で圧縮して運ぶ
  • 低温で液化して運ぶ
  • パイプラインで運ぶ
  • 他の物質に変換して運ぶ

輸送 | 水素エネルギー技術 | 水素エネルギーナビ

1|高圧で圧縮して運ぶ
  • 高圧ガスによる水素の輸送は、水素の利用先が燃料電気自動車の場合に適する。最終的にさらに昇圧するため、運搬時の圧縮エネルギーが無駄にならない。
  • ガードルやトレーラーで輸送。ただし既設のトレーラー輸送は20MPaが中心。
  • 高圧ガス保安法の適用を受ける。
2|低温で液化して運ぶ
  • 水素は-235℃で液化する。液はガスと比べ体積が約800分の1となるため、輸送・貯蔵の効率が高くなる。
  • 液化水素トレーラーで輸送。
  • 高圧ガス保安法の適用を受ける。
  • NEDOのHySTRA(技術研究組合 CO2フリー水素サプライチェーン推進機構)が技術確立と実証に取り組む。

液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が日本海事協会から船級を取得 | プレスリリース | 川崎重工業株式会社

3|パイプラインで運ぶ
  • 都市ガスのように水素を気体のままパイプラインに流し、需要地まで輸送する。
  • パイプラインの設置コストがかかるため、近距離輸送に適する。
4|他の物質に変換して運ぶ
  • トルエン(C7H8)に吸着させメチルシクロヘキサン(C7H14)で運ぶ「有機ケミカルハイドライド法」の実証試験が開始された。
  • 常圧のガスと比べ体積が約500分の1になる。
  • 現状のガソリンインフラを活用できる。
  • NEDOのAHEAD(次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合)が技術確立と実証に取り組む。

世界初、水素を輸送する国際実証試験を本格開始 | NEDO

水素生成の色分類とターコイズ水素

脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一つに、炭素を含まないエネルギー媒体「水素」と「燃料アンモニア」の利用に注目が集まっています。 アンモニアは水素と窒素の化合で生成されるため、つまるところ「水素」をどのような方法で作るのか?がこれからの課題。

水素生成の色分類

ただいま仕事でカーボン・ニュートラル関係の資料を乱読しています。そのなかで、「グリーン水素」という言葉が目に留まりました。 再生可能エネルギー由来の電力を用いて生成された水素で、その生成過程で二酸化炭素(CO2)が排出されません。

「これ、クリーンじゃなくてグリーン水素なの?」

なんとなく空気がきれいになるイメージがあって同僚に尋ねると、いやいやグリーンで合ってるんだよと。水素はその生成方法により「色」で分類しているのだとか。

 

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現在の水素生成はほとんどが「グレー水素」です。天然ガスなど化石燃料の水蒸気改質で水素を得ています。当然反応中には二酸化炭素(CO2)が発生します。脱炭素社会には合致しない生成方法です。

一方、前述した「グリーン水素」は二酸化炭素(CO2)の発生がないものの、再エネ利用は生産コストが高く、安定供給がむずかしい。

そして「ブルー水素」。環境負荷の点では「グレー」と「グリーン」の間に位置します。生成方法は「グレー水素」と同じですが、発生した二酸化炭素(CO2)は回収貯留し、大気への排出をゼロとします(カーボン・ニュートラル)。こちらの課題は、回収した二酸化炭素(CO2)の利用先ですね。

新しい色・ターコイズ水素

ターコイズ水素について調べてください」

グリーン水素を知った矢先、上司からメールが入りました。なんと!まだ新しい色があったのか。「ターコイズ」というぐらいだから「ブルー」と「グリーン」の中間でしょうか?

ターコイズ水素」は天然ガス(メタン)をプラズマ熱分解して得る水素を指します。このとき同時に炭素(C)も分解されますが、これは二酸化炭素(CO2)と違い、カーボンブラックなどの有用な製品として利用できることが特徴です。 熱分解に使うエネルギーは再エネが条件。「ブルー」と「グリーン」の合わせ技のような製法です。

 との付け焼き刃な知識を上司に返信しまして、次回はもう少し「ターコイズ水素」 の製造技術を深掘りしたいと思います。


本ブログは、仕事や日々の生活で調べたことのメモ用に開設しました。本日の学びは「水素生成方法は『色』で分類」です。それではまた。

 

参考:

www.jetro.go.jp